somewhere 釜石の港さんぽとさわや書店
 絵描き kaoru

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2017-03-08 11:02:16

somewhere 釜石の港さんぽとさわや書店

 

 

お正月は祖母の田舎、岩手県の釜石に帰省した。

 

釜石は2011年の東日本大震災で大津波に襲われた街である。そのもっと前には新日鉄とラグビーで繁栄し、「鉄の街」と呼ばれていた。

名物は獅子舞ならぬ虎舞(とらまい)で、いくらや白子、アワビ、かぜ(焼きうに)など三陸の海の幸がいつでもおいしい。

 

港の先の高台にある名所、釜石大観音に出かけることにした。バスが午前中1本しかないので、釜石らしい灰色の寒い空の下、タクシーで向かう。

釜石大観音は「魚籃観音」といい胸元に魚を抱いて海の側を向いている。

 

 

その体の中は階段が続いていて、ちょうど魚のところが釜石湾を望む展望台になっているのだ。小さい頃から何度も遊びに来た釜石の海。自然と 津波のこと、津波に流された人々のこと、まだ海に沈んでいる人々のことを考えて、手を合わせた。

 

帰りはバスで地元の中学生に混じりながら、イオンタウンのある街まで下っていく。入り口脇の「小島かふぇ」でお茶、カフェラテとフォンダンショコラをいただく。地元のお餅が有名な和菓子屋さんが作ったカフェ。ゆっくり落ち着けるかわいいカフェが釜石にできた。

 

 

本でも見ようとさわや書店に寄る。さわや書店は盛岡に本店がある東北の名門書店である。最近では、中身のわからない「文庫X」で話題になった本屋さんです。・・・わたしに馴染みのあるさわや書店と言えば、釜石の祖母の家近くにあるジョイスというスーパーの中にある小さな店舗。文庫本のカバーが盛岡市内の地図だったり、雰囲気のある本屋さんだということは幼心に感じていた。・・・

 

イオンタウンの入り口すぐのさわや書店。

広くて入りやすいです。

 

 

・・・そして、店内奥にひと際目を引く「選書棚」を発見!東日本大震災の立派な特集がされていた。天井まである棚と平積みの本、POPがすごく目立つし、何よりたくさんの色紙が書棚の周りをぐるっと取り囲んで貼られていたのでした。その色紙は著名な作家さん達からの釜石へのメッセージでした。本当にたくさんあり、驚きました。

 

 

選書コーナーにはたくさんの震災関連本が並べられていたけど、わたしが「いいなあ」と感じたのは地域資料も多く並べられていたこと。これは地元の書店さんにしかできないことだと思う。岩手の同人誌や、地元出身の文豪などの書籍(宮沢賢治や石川啄木ももちろんありました)。東京や他の地域でいくら震災の特集をしたとしてもこんな風に並べられないと思うし、資料は取り寄せられても説得力が薄くなってしまうと思う。地元だからできる書棚作りだと思いました。

 

 

 なんていうかこの郷土の書籍が並ぶことに寄って、ただ単に「東日本大震災と津波のことを忘れない」というだけでなく、「震災も津波もあったけど、昔からこの釜石や岩手の地はあって、その歴史も誇りも変わらない」というような静かで強い意志を感じたのです。すごく素敵な書棚でした!・・・この選書棚を見て、ぜひ今の釜石の姿とともにさわや書店さんの棚をyondoku連載で全国に紹介したいと思いました。突然の取材交渉にもかかわらず、快くお引き受けくださったさわや書店釜石イオンタウン店さんには感謝です。

 

 

・・・さて、釜石の街のほかの様子も一緒にお伝えすると、

港付近の土地を5メートル近く底上げをするようで、震災後すぐに家を建てた人は一度立ち退かなければならないお宅もあるようです。釜石港はやっと再建設されてきています。下の写真の左端に見える白い建物がそれです。また2019年にはラグビーW杯の会場となることや、仮設住宅のことなど一口に解決できない問題ももちろんあるようです。東北全体で復興道路という大きな道路も建設中だと釜石に住む親戚に話を聞きました。

 

旅行に出かけて地元の本屋さんに入ると、その土地ならではの書棚があり、そこから街の歴史や人が見えてくるなあと感じた今回の釜石さんぽでした。

東北のほかの地にも素敵な本さんやカルチャーがたくさんあるし、また自分の足で出かけていって、その街々の空気を感じていきたいと思います。次は喫茶店天国の城下町、盛岡もいいなあ・・・

 

 

 

さわや書店 イオンタウン釜石店 http://books-sawaya.co.jp (このwebsiteだけでもかなり好きになってしまう・・・)

釜石大観音  http://kamaishi-daikannon.com

こじまカフェ https://www.facebook.com/mochi.kojimaseika/

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絵描き kaoru


絵描きです。キャンバスにアクリル絵の具で自由な世界を描きます。 お守りの絵や感性で描くポートレートなども描いています。 JCAT NYメンバー。 絵描きになる前の職業は図書館司書。小さい頃から本に囲まれて育ちました。 旅行、コーヒー、食べること、スピリチュアル、自然の多いところが大好き。 埼玉県在住、東京都のわめぞ(早稲田・目白・雑司が谷)エリア、川越が得意です。 京都も大好き。 https://kaoru1984.amebaownd.com http://www.jcatny.com/kaoru-kaoru_painter

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