代償
 【文章スタイリスト】 武田 みはる

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2017-07-01 20:51:58

一気読み絶対保証!!という強気の帯がついていた。

「全米が泣いた!!」みたいに簡単に乗せられないぞと思い手に取ったら

一晩ですっかり読破してしまった。

手に取った瞬間にすでに、乗せられていたのだろう(笑)

 

冒頭からしてなんかおどろおどろしい雰囲気が漂っている。

小学5年生の奥山圭輔は両親と東京世田谷区に住むふつうの男の子。

仲の良い両親と贅沢はできないが特に不自由もないふつうの暮らしを送っている。

その圭輔の家族に、母の遠縁にあたるという一家が近くの団地にひっこしてきたことで

とんでもない悲劇が襲う。

その一家には圭輔と同い年の達也という子供がいた。

達也はずけずけと相手の懐に入ってくる。

圭輔は離れたいが、遠縁にあたるということでしょっちゅう家にやってくる。

そして、クリスマスの日

圭輔にとって人生最大の悲劇が襲う。

 

過酷な思春期を過ごし(ひとことで言い尽くせないほど壮絶な日々だ)

圭輔はよき理解者に恵まれて、弁護士となる。

そして、達也から弁護依頼が舞い込む。

このあとの出来事は、前半のストーリーがすべて伏線になっていて息もつかせないほどドキドキする。

達也が仕組んだ巧妙な罠。

追いつめられる圭輔。

最後の最後のどんでん返し。

 

罪を犯した者は償わなければならない。

ただ単に捕まるのではなく、しかるべき代償を。

 

この本を読んで、達也のような悪人はどうして生まれるのだろうか

と考え込んでしまった。

育った家庭環境の影響は大きいが、

過酷な家庭環境であってもまっとうに生きる人間は沢山いる。

裁判の場面や陰惨な場面が多くて

深夜に一気読みしてもどことなく爽快な読後感があるのは、

憎しみに対して憎しみで対峙するのではなく、

ひととしてまっとうな道を守ることで懸命に生き抜いていく圭輔の生き様に力をもらったからだろう。

カラダの芯の部分で力こぶしを握ったような

読み応えのあるミステリーだ。

「代償」  作家:伊岡 瞬

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【文章スタイリスト】 武田 みはる


似合う色と文章で「見た目」と「ココロ」の両面からあなたらしさを表現します。 本屋さんと文房具とお酒が大好きな大阪在住の文章スタイリスト。 http://write-stylist.blogspot.jp http://ameblo.jp/nonajarinko

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