雨傘運動に
【詩人】 素潜り旬

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2017-09-20 17:24:14

 

少し前、雨傘運動のリーダーたちに、禁固刑が課された。俺がどうこう言うとかじゃないけれど、この運動を題材に詩を書いていたので、この機会に読んでもらえたらなと思い、ここに記す。普段は自分のことばかりで嫌になるが、この時ばかりは、誰かのことばかりを書きたくなった。

『愛の合間に』

ミントのくせに
なぜかミルクを感じる
香港のガムを噛みながら、
雨傘運動で流れた体液は
こんな味をしていたかと考える
彼らが耐え忍んだ催涙スプレーは
雨傘から雫となって滴り落ち
地表に溜まって俺が言葉にした
拾い集めたのが心ない言葉で、
読み間違えたのが
心だったら、
Male to Female の子と
ホテルに行った帰り道
もはやアイデンティティの喪失もこれまでか 

うそぶくことも
なかったのに
つまり、大失敗さ。その子ともね。
泣けてきたのは
俺たちがマイノリティだからか、
それとも俺たちは
マイノリティではない
と思い込んでいるからなのか
それとも
マルチチュードの上で
爆発した者たちに
かける言葉がないからなのか
それとも
立ちあがった人々が、
ある場面において
マジョリティになった場合、
コアラのマーチを開封せず
数十秒振った後の
固形物のように
無軌道に転がり続けること
(コアラたちの行進曲)

涙するのが
俺だと
分かってくれたら
愛の合間を政治性のない
詩で埋めることができるのに
だけれど
そんなことを気にせず
ついてきてくれるなら
言葉の暴力のような詩を
ともに雨傘で耐えようではないか
その後、
いままでの自己犠牲を愛のために行うこと
この普通の権利を勝ち取り
喜びの涙を激しい雨で隠してしまおう
傘もささずに

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【詩人】素潜り旬


素潜り旬(中村修人) 詩人。探偵。ガレージパンク朗読バンド・ダンディカウボーイズのヴォーカル。観念的な探偵事務所「素潜り旬探偵事務所」を2016年にブチ上げ、詩集『顔面に沈み込まない都が』ダンカウペーパーアルバム『北摂マッドネス』『マクドナルド神戸PAI山店のクレイグ・ニコルズ』を出版。さらには素潜り旬探偵事務所をYouTubeにて連続ドラマ化する。俳優として瀬々敬久監督の『菊とギロチン』に被災民役で出演。 依頼はこちらまで。sumogurishun@yahoo.co.jp twitter @sumoguri_shun

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