ぬけめではない
 保田穂

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2017-09-29 05:19:42

 

めぬけである。
目玉の飛び出た、紅い深海魚である。

 

そんなグロテスクな生き物から名前を取った、ごくアットホームな同人誌。街で見かけたら、抜け目なく買い求められることをおすすめしたい。なかなか釣り上がらないのだ。

 

但し、表紙にはそれぞれ異なるプリント写真が貼付されているため、当記事の画像は当てになさらぬよう。一点ものなのだ。

 

 

「めぬけ」は東京や京都に縁深い、音楽やアート、それと出版などに携わる30前後の人びとを中心とした、日々の創作をつづる同人誌です。

 

 

とある。(表紙袖に)

 

文芸にせよアート系にせよ、腰低く読者へすり寄る姿勢を見せながら、そのじつ、声高に独りよがりの自己主張を謳い、懐柔せんとする巷のZINE/リトルプレスの類の鼻持ちならぬ「創刊の辞」へ食傷気味のところ、めぬけはこう来た。


軽やかに四回転半くらいしている。目眩がして、何をいっているのかよくわからない。

 

目次には、画家の鬼頭祈氏や、はまぐちさくらこ氏、6次元のナカムラクニオ氏といった名前がならぶ。イラスト半分、テキスト半分のコンテンツだが、文章量がいずれも過剰にボリューミィのため、いきおい文芸誌ふうの趣きがある。

 

肌粟立ちものの作品が目白押しだが、ここでは一例、新居大弥氏の川柳を紹介したい。

 

 

記念写真うしろの桜のぶんも刷り

 

くるぶしがなにかの部品に思われて

 

時雨るれば銀紙のしわ寄りにけり

 

赤ん坊ときもちわるいほど目が合う

 

ふと全部わかって自死のかたつむり

 

 

…おわかりだろうか。
もっとわかりたい向きの方は、是非お手に取ってじっくり愉しんでいただきたい。

 

なお、Vol.2が近々発行されると聞いている。風の噂だが、期待値は計り知れない。

 

因みに、Vol.1のthemeは「すし」であった。

 

 

 

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保田穂


書店員。文芸同人誌「しんきろう」の編集を担当。

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