8月○日
きょうも暑い。灼熱。スタジオでピアノの練習の帰りに大津港まですこしだけ散歩する。うみのことビアンカ。風はきもちいいが、照り返しが凄まじく早々に帰宅。晩ごはんは、きょうの料理でやっていたトマトと豚肉のすき焼きをする。おいしい。トマト好きにはさいこうだ。溶き卵に大葉と茗荷を入れるのがよい。夜、ナイオ・マーシュ「ランプリイ家の殺人」を読み返す。浅羽莢子さんの「御前」という訳がすきで、your graceで合うてるかなとおもって、いろいろ見てたら英語版ウィキペディアのピーター卿がものすごく詳細やったのと、浅羽さんが10年も前にお亡くなりになってたのにおどろいた。
8月□日
下鴨納涼古本まつりに行く。はじめて行く。春にみやこめっせで買った都築道夫「キリオン・スレイの生活と推理」の続編があればほしい。あとはアルバイト先でみつけた定番の文庫など。安く買えたらいいなァとおもう。暑さともうもうとした砂埃でぐったりするが、いちおう全部みてまわる。アシモフ他編「SF九つの犯罪」、ジャック・フィニイ「ゲイルズバーグの春を愛す」、ヘレーン・ハンフ「チャリング・クロス街84番地」、小沼丹「清水町先生〜井伏鱒二氏のこと」、都筑道夫「新顎十郎捕物帳」を買う。キリオン・スレイはあったけど、おもってたより高くてやめておく。
晩ごはんは、買ってきたポテトサラダとコロッケと、冷やしトマト、Eさんに教えてもらったしらすをオリーブオイルで和えたやつ。居酒屋メニューにしたのに、ビール買ってくるのを忘れた。トマトがよく冷えていておいしいが、食べているうちに口の中がピリピリし出す。痛い。かゆい。これは、もしかしてトマトアレルギーではないのか?でも、すき焼きのトマトはだいじょうぶだったのに?「アレルゲンのたんぱく質が火を通すことで変性して大丈夫になる」と教えてもらう。いろいろな食べかたをして、どの程度のアレルギーか様子をみることにする。
8月△日
「チャリング・クロス街84番地」読了。途中うるっときてしまう。ふだん殺人事件ばかり読んでいるくせに、最近こういう話に弱い。ピーター・ウィムジイ卿シリーズに出てくるような書物がずらずらと。晩ごはんはトマトとベーコンのマヨふわ卵炒め。八つ切りにしたトマトはくずれないようにあまり火を入れない。少しかゆい。が、生よりはぴりぴりしない。やはり、火の通り加減か。リリリリ、秋の虫が鳴いている。
8月☆日
ピアノ練習に行く日。きょうも暑いが、琵琶湖からはきもちのよい風が吹いてくる。ミシガンに乗ってみたい。晩ごはんの用意。ふたたびトマトと豚肉のすき焼き。これはぜんぜんかゆくならない。しっかり火を通したせいか。夜、創元推理文庫の新刊、ヘレン・マクロイ「ささやく真実」とマージェリー・アリンガム「キャンピオン氏の事件簿 幻の屋敷」をamazonのカートに入れておく。すると、レオ・ブルースの新刊も出るよと教えてくれる。キャロラス・ディーンもの、ひさしぶりだ。東京創元社の復刊フェア、ラインナップが楽しみでしかたない。アリンガム「反逆者の財布」を新訳で出してほしい。
8月●日
昼ごはんのサンドイッチにトマトスライスがはいっている。ややピリピリしたがそこまで痒くない。生でも少しなら大丈夫みたい。サンドイッチが食べられるのであれば、多少のトマトアレルギーは問題ない。ジャック・フィニイ「ゲイルズバーグの春を愛す」読了。溢るるノスタルジイ。この退屈極まりない日常のどこかは刺激に満ちた別世界につながっている、という夢をみさせてくれる素敵な短篇集。掉尾を飾る佳作「愛の手紙」が夢の終わりという読後感を生み出す。じんわり。
8月■日
アルバイトの日。気になっていたパン屋、というより雰囲気はブーランジェリーかベッカライかというお店で昼ごはんを買う。サンドイッチにたくさんの種類があって感激する。トマトチャレンジとしてBLTサンドイッチにする。かゆくない。やはり少量ならだいじょうぶ、サンドイッチはセーフである。よかった。そして、おいしい。さいこうだ。きょうはいいことがある気がする。テムズ河周辺の世界遺産を紹介するテレビ。「学寮祭の夜」でピーター卿とハリエット・ヴェインがボートに乗ったであろうところが映った(と思い込んで)感激する。寝る前に「学寮祭の夜」のピーター卿とハリエットの話のところを拾い読みする。感慨深い。