大阪・心斎橋

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小説 エンタメ  アメリカ最後の実験


著 者:宮内悠介

SF作家が描くミステリー小説。舞台はアメリカ。テーマは音楽。これだけでもう面白い。
ピアニストの卵である脩は、失踪した音楽家の父を追ってアメリカの難関名門音楽校を受験する。その受験の模様と、父探しが、物語の軸となっている。
ミステリー要素は、人を虜にする謎の楽器<パンドラ>と、来たるべき終末世界に向けた一大プロジェクト<アメリカ最後の実験>。両者とも音楽にまつわるミステリーで、読み終わった後は音楽の神秘に触れた気になること間違いなし。
登場人物がみな一癖も二癖もあり、キャラが濃い。だが他人が持っていないものを持っているからこそ、その人の演奏は唯一無二の音楽になる。本書では登場人物の人生背景が充分に描かれており、誰がどういう音を奏でているのかが本の中から聴こえてくるようだ。
何よりも気なるのは<アメリカ最後の実験>だろう。が、それを追いかけることが楽しみなので、音楽の可能性について迫った実験、とだけ紹介させて頂きたい。「音楽とは何か」を考えさせられる、象徴的な実験だった。
以下は、物語の雰囲気をよく表している一文。
『この音の海のどこかに、あなたの深奥から湧き出る真実の音がある。それが、あなたにとってのパワーソング。見つけ出さない限り、あなたは戻ってこれない』
感動を呼ぶような音楽小説ではない。むしろ、音楽の持つ禍々しい魔力に焦点が当てられている。だがその禍々しさこそが、音楽の魅力であり、音楽の本質なのかもしれない。

※リーダーズ・ネストでもっとも読みたい本に選ばれた宮内悠介「アメリカ最後の実験」のおすすめコメントを、Yさんにいただきました。ぜひご一読ください!