Vol.3 1003

街の本屋さんに美学生が訪れ、お店を紹介しながら、気になる1冊を探すというシンプルな企画です。第3回目となる今回は神戸元町にある「1003(センサン)」を訪れました。

ナビゲートしてくれるのは、武庫川女子大学4回生の青山泰菜さん。

青山 泰菜 さん 武庫川女子大学 文学部英語文化学科 4回生
英語が好きで、在学中に留学も体験。語学勉強は継続中で、TOEIC®900点をめざす。卒業後はアパレル業界に進み、将来はバイヤーとして世界を舞台に仕事をするのが目標。
http://bigakusei.campus-web.jp/binan-bijo/11272/

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2015年9月にオープン

図書館司書として、大学の図書館で
働いていたオーナーの奥村千織さん。
本屋さんをやってみたいという想いは以前からあったが、
一昨年(2014年)たまたま手にした
一冊の本が、その行動を後押しする。
「常識を捨て、瞬間瞬間を生きろ」と唱える
岡本太郎の『自分の中に毒を持て』。

年度変わりまで仕事を続けた後に退職し、
約3か月間の準備期間を経て、
2015年9月2月に「1003」をオープンさせた。

店内へ

JR・阪神の元町駅から約5分。
洋館風の建物の2階にお店がある。


オープン間もないお店の棚は、
奥村さんの蔵書のほか、準備期間中に買い付けた本、
さらには友人たちから委託された本などが並ぶ。

『せとうち暮らし』やお酒の雑誌『月刊たる』を
はじめとするリトルプレスも取り扱う。

お酒、食、暮らし、
民俗などの本が充実

レジ近くの窓側の棚は、主にお酒と食べ物関係。
その向かいが、奥村さんが「好きなジャンル」という
民俗学系の本が並ぶ。

「お店のいたるところに店主の方のこだわりが感じられます」

お気に入りの本を探す

よく読むのは小説で、中でもミステリーが好きという青山さん。本屋さんでタイトルや横帯などから気になる本を見つけると、冒頭の数ページをじっくり読み、購入するかどうかを決めるのがいつものスタイルだ。

「冒頭の数行を読んで、面白そうだったら数ページ読んで、じっくりと中身を確認します」

夫婦で“理想のお店”を
ゆっくりと築いていく

ちなみに店名の「1003」は、センサンと読む。
意味をうかがうと、「夫が飛騨高山にある家具職人を養成する学校に行ったときに…」と由来とともに、この屋号が最初に用いられたときの話を聞くことができた。
(その素敵なお話の真相はお店で直接確かめてみてください)

お店の内装は建具取付職人の
旦那さんがすべて手がけた。
仕事が休みの日曜日に作業を進め、
お二人が描く“理想のお店”を少しずつ
カタチにしていったという。


店内奥にあるオーディオから
流れる音楽はご主人のセレクト。
アンビエントや音響系の音楽が
心地よく空間をつつみ込む。

「オーディオもいい雰囲気でした」

本といっしょに
ビールを楽しむ

「ビールが飲める本屋さんにしたい」
それが当初からの構想で、
店内ではビールを楽しむこともできる。

出されるのはハートランドビール。
「緑色のビンがかわいいのと、美味しいのが理由ですね。窓際のカウンターで本を読みながらはもちろん、ビールだけでも大歓迎です」と奥村さん。

お気に入りの一冊

『雨月』 藤沢 周 ・著(出版社:光文社)

あれこれ物色するというより、
厳選した数冊をじっくり読み込む
といった感じの青山さんが
この日セレクトしたのは、藤沢周の『雨月』。

芥川賞作家が描くホラー・サスペンスだ。
「渋い」と奥村さんも思わず唸る。

「新しいことでも、再発見でもいいし、本をきっかけに何かをみつける場になってほしいですね」と奥村さん。

ビール片手に好きな本を読んだり、
ここで出会った人と語らったり、
本や人とのつながりが見える素敵なお店でした。

おしまい

※店内の様子は撮影時のもので、レイアウトは定期的に変更されます。

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