少し前、雨傘運動のリーダーたちに、禁固刑が課された。俺がどうこう言うとかじゃないけれど、この運動を題材に詩を書いていたので、この機会に読んでもらえたらなと思い、ここに記す。普段は自分のことばかりで嫌になるが、この時ばかりは、誰かのことばかりを書きたくなった。
『愛の合間に』
ミントのくせに
なぜかミルクを感じる
香港のガムを噛みながら、
雨傘運動で流れた体液は
こんな味をしていたかと考える
彼らが耐え忍んだ催涙スプレーは
雨傘から雫となって滴り落ち
地表に溜まって俺が言葉にした
拾い集めたのが心ない言葉で、
読み間違えたのが
心だったら、
Male to Female の子と
ホテルに行った帰り道
もはやアイデンティティの喪失もこれまでか
と
うそぶくことも
なかったのに
つまり、大失敗さ。その子ともね。
泣けてきたのは
俺たちがマイノリティだからか、
それとも俺たちは
マイノリティではない
と思い込んでいるからなのか
それとも
マルチチュードの上で
爆発した者たちに
かける言葉がないからなのか
それとも
立ちあがった人々が、
ある場面において
マジョリティになった場合、
コアラのマーチを開封せず
数十秒振った後の
固形物のように
無軌道に転がり続けること
(コアラたちの行進曲)
に
涙するのが
俺だと
分かってくれたら
愛の合間を政治性のない
詩で埋めることができるのに
だけれど
そんなことを気にせず
ついてきてくれるなら
言葉の暴力のような詩を
ともに雨傘で耐えようではないか
その後、
いままでの自己犠牲を愛のために行うこと
この普通の権利を勝ち取り
喜びの涙を激しい雨で隠してしまおう
傘もささずに