以下のテキストを明日(反知性主義的に言うなら今日。冗談です。笑)詩の朗読の前に、朗読する。朗読の前にする朗読というのは、パフォーマンスの前にするパフォーマンスとも言えるが、本番の前の本番とは言えず、あたり前だが本番の前の練習ではない。朗読の前の朗読であり、パフォーマンスの前のパフォーマンスだ。そのテキスト先に見せたところで強度が下がるわけでもなく、風邪をひいているため鼻声なので、むしろ強度は上がるだろう。笑 予習万歳。では。テキストの後には、イベントの詳細が載っているので、興味を持った方は来てください。予約は素潜り旬に。当日でも構いません。
導入
豚が1匹産まれた場所では、
他に何匹も産まれているはずである。
鏡のないところから自我は産まれず、
産まれるのは豚ばかりである。
とはいえ、あなたが豚と聞いて、
豚肉や豚まんではなく
マラーノを思い浮かべたのなら
俺は二、三発、コーヒー豆のピストルで
眉間にブチ込まねばならないが
どうだろう
カスティーリャの古語で、豚を意味するマラーノは、蔑まれる者に対して、差別用語として吐かれた。ユダヤ人は豚を食べないことをアイデンティティとしているからなど、諸説ある。しかし、豚を食べないとされるその理由でさえ、ユダヤ人は子どもを豚に変えられたから、お互いを食い合うことができないため、という民間伝承から来ているのである。この話はちゃんちゃらおかしく、豚から子どもに変えられたのならわかるが、子どもを豚に変えられたというのだ。つまりは元から豚ではないか。豚から豚が産まれ、ずっと豚がいる。人ではない。
さて、あなたは、その言葉を知らなければ、その言葉を知らない世界で生きていれば、今日の夜、このことを思い出さず眠ってしまえただろう。しかし、あなたは何かを得に、もしくは何かを忘れにここに来ていて、だから俺は今、もちろん作為的に、教えてしまったし、このあとの朗読でも、引っかかる言葉を度々口にするだろう。その時あなたは、度々旅に出るように、俺の朗読から耳をそらして、考えてくれてもいい。ただ、目は俺を追っていてほしい。あなたの思考の道標になるように。
素潜り旬です。よろしくお願いします。
知らないよりか知っている方がいいタイプの朗読をはじめます。笑
1.14(日)
浮かむ瀬presents「おおきな約束」
act 浮かむ瀬 / 成宮アイコ+青山祐己 / 永尾蕗子
poet 葉月之寛 / 鈴木陽一レモン / 川原寝太郎 / 素潜り旬
open 14:30 / start 15:00
charge ¥2,000+1drink¥500
STUDIO IZ 〒 615-0806 京都市右京区西京極畔勝町16 TEL&FAX 075-312-3344