連載「読読 よんどく?」ができるまで。第3回 サイトをつくる意味があるのか?
【読読】 なかがわ

このエントリーをはてなブックマークに追加
2016-08-29 23:27:21

 

友人に相談したところ、ポータルサイトをつくるのであれば、少なくても150万以上はかかることが判明しました。一店舗だけのECサイトをつくるのはそれほど難しくはないけど、複数の店舗を扱うショッピングモール型にすると仕組みが複雑になり、構築費用も比較的に上がってしまうとのこと(300万くらいは普通らしいです)。さらにいうと初期費用だけでなく、モール型にするとそれ以降の管理も大変で、ランニングコストもけっこうなものになりそうということがわかりました。

 

その時点で無理というか諦めざるをえないのですが、そうならずに今こうしてサイトができているのはどういうことかといいますと、ショッピングモール型のECサイトを止めたというのが一点(サイト内での販売をなくす)と、くだんの友人が「タダでやったげる」と言ってくれたのでした。「どう安くみつもっても150万は行くので、会社通さずに、俺個人でやったげる」と。「じゃあ、少ないけどお前に直で30万くらいは払うわー」と返したら、「それはええよ。お前とおんなじ立場、すなわち立ち上げメンバーって立ち居地でいいからお金はいいわ。その代わり、継続してもしマネタイズが達成できたら、そのときに毎月いくばくかのお金をくれたらいいから」とのこと。

 

じゃ、わかった。マネタイズに辿り着けるどうかはわからんけど、それをめざして1年間、もしくは2年間は黙ってがんばります。そう決意したわけですが、単に思い込みだけで見切り発車するには費用的にも労力的にもコストが高いので、一応一つひとつの確認事項をチェックしてみしました。

 

 

そもそもサイトをつくる意味があるのか

ポータルサイトを立ち上げるにあたって最も重要なのは、持続可能なものかどうかということです。まあ、これはポータルサイトに限ったことではないかもですが、どんなもので立ち上げ時はみんなテンションも上がってるし、これからがんばるぞー!みたいな感じで前のめりになっているわけで、例えばフリーペーパーとかでも、2号目くらいまではいいんだけど、3号目あたりになると企画的な部分以前に、ギャランティも発生しないし、なんとなくモチベーションが下がって、「仕事が忙しいから」とかなんとか言い訳が先に立ち、ぐだぐだ言ってるうちに自然消滅、なんてことはよくあることです。しかしながら、そこは大丈夫。言ったからには途中でケツを割ったりせず、少なくとも2年間はがんばります。といったところでこれはすぐに立証できないので、次へ行きましょう。

 

仮に2年間は本業の仕事と並行しながら、泣き言をいわずにがんばるとして、果たしてそれだけの熱量をかけるに値するコンテンツなのかどうか、当然ながらそこも重要です。プログラマの友人は本・本屋さんのことに疎く、「そもそも似たようなサイトないのん?」「類似のサイトがなかったとして、需要はあんのん?」と訊いてきたわけですが、最もな質問でしょう。内藤九段ばりに先々のことを読むぼくのことですから、当然そのへんのことは抜かりなく調べておりました。

 

まず似たようなサイトについていうと、ざっくりいうと、ぼくがやりたいと思っていたようなサイトはありませんでした。本屋さんに関するポータルサイトでいうと、BOOKSHOP LOVER(http://bookshop-lover.com/)さんがあります。ライター、編集者の和氣正幸さんが運営する「本屋をもっと楽しむポータルサイト」であり、内容的にも充実した楽しいサイトです。サイト立ち上げ時の本屋さん巡りの際にも、大いに参考にさせていただきました。

 

ぼくがやろうとしていたサイトとの相違点を挙げると、まずBOOKSHOP LOVERは和氣さんという個が全面に出ており、その“個人”がお店やイベントをレポートするというサイトです。それがBOOKSHOP LOVERの魅力でもあるわけですが、ぼくが考えていたのはそれの間逆というか、個がいっさい出てこずに、客観的にお店の基本情報を同一フォーマットで伝えるというサイトでした。

                                                                       つづく

このエントリーをはてなブックマークに追加

【読読】なかがわ


読読 よんどく?を運営しています。オムライスとコーヒーが好きです。ビールも好きです。仕事はライターをしています。

なかがわさんの他の記事を読む



スポンサーリンク

others

【誠光社】 堀部 篤史

【古書ドリス】 喜多義治

【July Books/七月書房】 宮重 倫子

【CafeT.M. en】 城戸 実地

【曙光堂書店】 長坂 ひかる

【大吉堂】 戸井 律郎

【スロウな本屋】 小倉 みゆき

【トロル】 関本

【まめ書房 】 金澤 伸昭

【古本と珈琲 モジカ】 西村 優作

【喫茶ジジ】 四宮 真澄

【パンヲカタル 】 浅香 正和

【つむぎ】 田川 恵子

【古本屋ワールドエンズガーデン 】 小沢 悠介

【POTEN PRODUCTS】 森田ヨシタカ

 絵描き kaoru

【書肆スウィートヒアアフター】 宮崎 勝歓

【Satellite】 桑田 奈美枝

 若輩者

【homehome】 うめのたかし

【四々三結社】 蜆不水

 みやした けい

【町家古本はんのき】 仮

 葵美澄

【Amleteron】 アマヤ フミヨ

【ひるねこBOOKS】 小張 隆

【古書サンカクヤマ】 粟生田 由布子

【 nashinoki 】 前田 雅彦

【天牛書店】 天牛 美矢子

【葉ね文庫】 池上 規公子

 佐藤 司

【サロン ことたりぬ】 胡乱な人

 加間衣記 kama iki

 郁

【編集者・ライター】 石川 歩

 【文章スタイリスト】 武田 みはる

 クボタ カナ

【イラストレーター】 福岡麻利子

 美夏

【立命館大学】 立命PENクラブ

 たまの

【心斎橋アセンス】 磯上竜也

 Takahiro Sawamura

 保田穂

【詩人】 素潜り旬

【個人】 前田ヨウイチ

 夏美

 たかぎ

 おとなの絵本プロジェクト

 かづさ

 まみ