言葉で表すことのできないような関係性こそ、長く続くものかもしれない。
恋人や友人、そして血の繋がった家族。
関係性がしっかりと見えているものほど意外な脆さをもつ。
一緒にいる期間の長さや関係性から、人は安心感や倦怠感を抱くことがある。
しかし、人と人の関係性において、実際に安心できる要素や安定感はない。
みな生きている間も、死ぬときも、どこか独りなのである。
その孤独を肌で感じ、無意識に孤独に対して攻防を日々繰り広げているのかもしれない。
それが安心感だったり倦怠感につながるのかもしれない。
人は、可愛らしく、ちょっぴり寂しい生き物なのかもしれない。
絲山秋子さんの「袋小路の男」を読んでそう思った。
さらっと読めるのに何気ない一文に深く深く考えさせられる。
非常に重要な大事なメッセージが
オブラートに包まれているのに、
自分でも気づかないうちに
メッセージを受信できている。
私は、一人の人の本を読むと、
その人の著書を立て続けで読む傾向がある。
そうすることでその人の思想だったり真意だったり
どんな経緯でこの本を書いたのか、などという様々なことが
たった一冊を読むより、感じたり考えたりできる要素が増えるからである。
本という媒体を通じてこれからも
読者という立場を存分に愉しんでいきたいと感じた