連載 みどりの本(4) 『昔話は残酷か』
【スロウな本屋】 小倉 みゆき

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2016-11-14 16:42:03

オオカミに食べられる赤ずきん。お腹に石を詰められて殺されるオオカミ。昔話って、残酷なんでしょうか?

「残酷だから子どもには不適当」とする意見は、もちろんあります。最近では、赤ずきんもおばあさんも食べられず、オオカミも殺されないように書き換えられた本もあるそうです。はたして、昔話の中に出てくる残酷な場面は、子どものこころに悪い影響を与えるのか? 小さな小冊子が、この問題に切り込みます。

文芸学、民俗学、心理学。アプローチは、3つの視点から。例えば、文芸学的視点から見た、残酷な表現についての考察のごくごく一部を紹介します。オオカミは赤ずきんを「ぱくりとのみこんだ」 昔話の描写は、ただこれだけ。足から食べただの、苦痛のうめき声が聞こえただの、余計なことは一切言わず、簡潔であるのが、昔話特有の文体。だからこそ、聞いている者には何ら肉体的苦痛は生じないのです。

・・・と、こんな具合にそれぞれの視点からの分析と、実際の子どもたちの例(昔話を全く聞かされずに育てられた少年の話も出てきます!)が挿入され、さくっと読み進められるので、関心のある方はぜひご一読をお勧めします。永らく語り継がれ、読み継がれてきたものの意味を汲み取り、小さなひとに伝えていくということ。「むかしむかし、あるところに・・・」いつもの絵本タイムが、実はとても大事な時間であることに、小さな本が気付かせてくれます。

 

『昔話は残酷か』 

野村泫 著  東京子ども図書館 刊   810円(税込)

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【スロウな本屋】小倉 みゆき


スロウな本屋(岡山県岡山市) 店主。 スロウな本屋は、「ゆっくりを愉しむ」をコンセプトに、 絵本と暮らしのぐるりの本・もの・コトを揃えた、小さな新刊書店です。 http://slowbooks.jp/

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