今日は二日前に急きょ昼一で仕事が入って、それ終わりで南森町の駒鳥文庫さんまで行ってきました。12月24日でお店を閉められることを知って、それまでにあいさつも兼ねて一度お店に行かなきゃと思い、実は先日近くまで行った際に顔を出したのですが、まんまと定休日でダメでした。
というわけで、本日再訪させていただきました。
12月に入ってから閉店セール(値札のある本はすべて50%off!)をされていたのも影響しているのでしょう、一部棚には隙間もあって、今月だけでけっこうな数の本が売れたことがうかがいしれました。
で、下の3冊を購入しました。
『フェリーニ、映画を語る』
フェデリコ・フェリーニ (著)、ジョヴァンニ・グラッツィーニ (著)、竹山 博英 (編纂)
『日本映画のラディカルな意志』 四方田犬彦
『ジャン・ルノワール』 ロナルド バーガン (著)、関 弘 (翻訳)
読読を立ち上げるに際してお店回りをしたわけですが、駒鳥文庫さんはその最初期に訪問させていただいたお店のなかのひとつでした。確か7月の暑い日のことだったと思います。
特に難色をしめすこともなく、店主の村上さんは快く承諾してくださり、直後の8月にカメラさんといっしょに再訪し、撮影もさせていただきました。
そのどちらのときだったか忘れましたが、村上さんが古本屋さんになった経緯を伺いました。うろ覚えなので細部に多少間違いがあるかもですが、だいたいこんな感じだったと思います。いわく、映画の専門学校を卒業した後、照明の会社に就職。ただ、働き出すまで2ヶ月くらい期間があって、めちゃヒマだった。そんなある日、就職の手続きでハローワークに行ったときに、大正時代から続く古本屋さんが正社員を募集しているのを見つけて、「古本屋にも就職とかあるんや」と興味を持つ。で、行く気はなかったけど冷やかしで面接を受けにいったらすごく気に入られ、明日から来て!くらいの勢いになって、その流れにのって最初のところにお断りの連絡を入れ、古本屋さんで働くことになった。
その老舗で修行を積んだのち、自分のお店を開く際に、大好きな映画の本の専門店にしようということなり、駒鳥文庫さんが誕生したというのがだいたいの経緯だったと思いますが、また時間があればそのへんのこともじっくり伺ってみたいと思っていたので、やっぱり突然の閉店は残念ですね。
ちなみに、村上さんはとある事情で瀬戸内海にある「猫の島」にご家族で移住され、そこで新たなプロジェクトにかかわられるようです。
http://yukiyukite.komadori-books.jp/?p=100
余談ですが、個人的に駒鳥文庫さんの店舗にはちょっとした思い入れを持っています。
実は、駒鳥文庫さんが入っていたこのレトロなビルの2階(確か2階だったはず)が昔のぼくの職場で、正社員時代が1年ちょっとしかないぼくの、その勤め人時代の事務所がまさにこのレトロなビルなのでした。
今はもうお亡くなりになられていますが、僕が通っていたころ(もう15年くらい前の話になります)は1階にオーナーのおじいさんとおばあさんが猫数匹といっしょに住んでおられました。その猫ちゃんが階段を駆け上ってきて、2階の事務所にも入り込んでくるみたいなこともたまにあったりする、ほのぼのした空間でした。
駒鳥文庫さんの営業は明日(24日)までです。
近くに行かれる機会がある人は、ぜひのぞいてみてください。