メリーメリークリスマス、ご無沙汰しております。
本格的に寒くなってきて、暖かい部屋で本を読むのが捗る季節ですね。
わたしの中では、大きめの本屋さんに出向いて
気になった本を手当たり次第に購入するのがひとつのストレス解消法となっています。
例によって手にとってしまったのが本日ご紹介させていただく本です。
「総理の夫」原田マハ著。
てっきり、「私の旦那は総理大臣なのよ」という視点の本かと思いきや、
総理の、の、のの字は、総理である、ではなくて、
総理である人の、の、のの字だったらしい。
まわりくどくてややこしい書き方でしょうか?
これぞ、総理の夫である日和風の書き方だとしておきましょう。
つまり、総理大臣なのは妻の凛子なのです。
一国の総理大臣を描いているのだから、
そりゃもうスケール大。
のはずなのですが、
妻が大好き、野鳥が大好きな日和の視点から描いたストーリーは
どこかのほほんとしていて、それでいて危機感がないわけではなくて。
いいなあ、これだけ充実感のある毎日を
働くって楽しいな、素敵だな、
たとえ誰かを敵に回しても、日和クン、私の伴侶は裏切らないから、と
どんどん突き進んでいける凛子が羨ましく、尊い。
別にこの本は、女性の活躍がどうとか、男女平等がどうとか
そういったことを伝えるためだけの物語ではなくて
伴侶のことをとことん肯定して 必要な時はきちんと釘をさし、
どうなっても君を支えていくよ、という伴侶としての覚悟を描ききっているのが圧巻でした。
だってそれが男か女かなんて、結果的なことで、偶然なだけでしょう?
「君は総理になった。これは必然だ。しかし、君は男性ではなかった。これは偶然だ。そうだろう?」
序盤で繰り出されるこの男前すぎる日和の台詞も
日和にそっくりそのまま、リボンをつけてお返しできることに
私は気づいてしまったよ。
日和クンの、そういうところがいいんだよね。