趣味 エンタメ 映画 評論 沖縄劇映画大全
著 者:世良利和
出版社:ボーダーインク
大正から平成まで、沖縄を舞台に撮られた映画500本以上を、ていねいに解説・評論した素晴らしい労作が本書。
取り上げられるのは山田洋次、大島渚、高嶺剛、北野武、崔洋一、中江裕司、タランティーノ…などが監督した有名作から、マイナーなヤクザ映画やポルノに怪獣映画まで。
たとえヒット作でも、ステレオタイプな「観光映画」や「癒しの島」系の作品に対しては「沖縄ロケに何の意味もない無責任なご当地映画」「沖縄という物語を演じながら、勝手な解釈と引用で幻想を拡散させるばかり」と手厳しい批判がされています。
10年かけて沖縄に通い、調べ上げたという著者の熱意と努力の結晶である本書は、映画初心者には信頼できるガイドブックとして、マニアの方には映画の新たな切り口と議論を提供する物として、とても読み応えのある一冊です。