社会 アート 写真集 評論 エッセイ ラウンド・ボーダー
著 者:仲里
出版社:仲里効
批評家・雑誌「EDGE」元編集長・フォトグラファーなど多彩な顔も持つ仲里効氏。
その乾いたタッチの写真とエッセイで構成されている本がこちら。
氏のレンズが捉えるのは、崩れたコンクリート壁の落書・真夜中の米軍基地の金網・木の電柱にへばりつく広告板・ガランとした無人の客船待合所など、どことなく殺風景とも言える沖縄の路上の景色。
その写真を一枚ずつ読み解き、対話するように書かれたエッセイは、時に風景論であり時に一片の物語のようでもあり。
南国の楽園とか癒しの島といった紋切型のイメージではない、生身の沖縄の姿を鋭く切り取った、'90年代末のアーティスティックな一冊です。