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著 者:林以一
出版社:小学館
木挽き(こびき)という職業をご存知でしょうか?木挽きとは大きな丸太から木材を切り出す専門の職人です。木挽きは知らなくても「オガクズ」は知っているかと思います、木を切った時に出る粉のことですね。漢字で書くと「大鋸屑」と書きます、大きなノコギリのクズ。木挽きが使うのはこの大きなノコギリです。ちょうど写真の本の下にあるのがその大鋸(オガ)と呼ばれるノコギリです。他にも色々種類があるのですが、木挽きはこういったノコギリを使って大きな丸太から板や柱を切り抜いていくんです。細かいことは是非この本を読んでいただければと思います。
読んでいて思うのが、20年前に発行されたこの本には職人のあり方、ありがたさが沢山詰まっているということ。便利なものに頼りすぎないで人の手で作る事の大切さがとても伝わってきます。便利な道具に頼りすぎると、やがて職人に必要な目利きの部分が廃れていく事がよく分かります。
「モッタイナイ」とか「エコ」とかよく言いますが、もともとその感覚を日本人は持っていたのでしょう。無駄なく利用する為の技術や感覚は日常的に接することができた職人から一般に伝えられて浸透していったのですね。今は職人がいない時代だと思います、どんなものでも知識がなくてもコンスタントに安価に作れる、簡単に職業を名乗れる。修練と知識と経験と、一つ一つの材料に感謝と責任を持ってものづくりに励んでいければなと強く思いました。