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1993年にミラノサローネで発表されたdroogの家具に世間はさぞ驚いたことだろう。
ジュエリーデザイナーのGijs Bakker(ハイス・バッカー)とDESIGN FOR INDUSTRYの編集長だったRenny Ramakers(レニー・ラーマーカス)が立ち上げたdroog。
Conceptual Design(コンセプチュアル・デザイン)と呼ばれる「既存の概念を捨て、再解釈し意味を構築する」デザイン思考を初めて世界に示したプロダクト集団だ。
かくゆう僕も、九十年代後期にロンドンの小さなギャラリーでロープを樹脂で固めた椅子を見つけた時の衝撃を忘れられない。1996年頃のバング&オルフセンBeoSoundや Jacob Jensen(ヤコブ・イェンセン) による家電を見たときにも似た衝撃だ。この年代の衝撃を超えるプロダクトにはなかなか出会えない。
今は珍しくないかもしれないけど、全てはこの時代からの練り直しなのでは?と思ってしまう。現在アートの世界でもコンセプチュアルアートは死んでいるとVivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)は言っている。創造的かつ政治的な活動を行う彼女がそう発言するには、しっかりした根拠があるのでは?と思う。
知ってるよって意地悪な大人には言われそうだけど笑。
知ることと理解を示すことは違うと思う。
一つ一つの思考回路の豊かさに未だにハッとさせられる。
おすすめです。