大阪・心斎橋

Bar Liseur

バー リズール

TEL06-6282-7260 HPhttp://www7b.biglobe.ne.jp/~liseur/ 最寄り駅地下鉄「心斎橋」「四ツ橋」
営業時間18:00~24:00 定休日月曜・火曜
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漫画  『それでも町は廻っている』


著 者:石黒正数

ひなびた商店街のひなびた喫茶店「シーサイド」。馴染みのばあちゃんが経営するこの喫茶店でアルバイトをしている主人公嵐山歩鳥は、探偵になることを夢見る女子高生。この作品は、そんな彼女と周りの人たち(商店街の人や高校のクラスメイト)との間で巻き起こる様々な出来事を描いた、一話完結形式のコメディーです。
基本的に日常の出来事を中心に話は進んでいきますが、非日常的な出来事(ミステリー、SF、オカルト、ホラー)に巻き込まれることもしばしば。いずれのストーリーも質が高く、笑いあり、涙あり、驚きあり、怖さありで全く飽きさせてくれません。
他にも、魅力的なキャラクター、言葉のセンス、小学生や高校生の頃独特の心理描写など、この作品の面白い要素は多々ありますが、他の作品と異なる要素として「時系列シャッフル」と「様々な小ネタ・伏線」が挙げられます。
例えば、ある回で歩鳥が高校1年生の頃を描いていたとすると、次の回ではいきなり高校3年生のときの話になっているというように、掲載順と時系列が一致していません。しかし、歩鳥の髪型や、その話の本筋とは全く関係のない何気ない会話、コマの背景、歩鳥が読んでいる小説のタイトルや新聞の広告欄…というような、至る所に仕掛けられたヒントを辿っていくことで、時系列や話の真意を読み取ることができます。他にも、初登場かと思われた人物が以前の話のコマの端に描かれていたり、絵柄や構図、登場人物の名前、シャツの柄等々にパロディー、ダジャレ、アナグラムが無数に散りばめられていたりと、読むたびに好奇心をくすぐられ、これらに自分で気づけたときの達成感、充実感はなかなかどうして癖になります。
このように何度でも読み返したくなる(読み返さずにはいられない)作品になっていますので、気になった方は是非とも手に取ってみてください。



※先月行われたマンガしばりのリーダーズ・ネストでもっとも読みたいマンガに選ばれた、石黒正数『それでも町は廻っている』のおすすめコメントを、Uさんにいただきました。ぜひご一読ください!