小説 カモメに飛ぶことを教えた猫
著 者:ルイス・セプルベダ (著)、河野 万里子 (訳)
これから私が産む卵を食べないで。
ひなが生まれるまでその卵の面倒をみてやって。
ひなに飛ぶ事を教えてやって。
重油にまみれ瀕死のカモメは、命からがらになりながら猫のゾルバの元へ落ちてきました。ゾルバは仲間の猫とともに卵を還し、天敵から守り、やがて雛に飛ぶ事を教えようとします。
「僕たちは違っていて、だからこそ君を愛してる。違っている者を認め、尊重し、愛する事はとても難しい。」
「本当に飛びたいと思う者にだけ、飛ぶ事が出来るんだ!」
チリで生まれ、政変に巻き込まれ2年半の刑務所生活を送り、ドイツに亡命した著者が描く本作は差異があっても愛する事が出来ること、そして、「育てる」とは、「待つ」という事の大事さを気付かせてくれます。
「幸運」と名付けられたひなが飛び立つその時、永遠の別れを予感しながら、それでも幸運を祈り、空を見つめるゾルバに目頭が熱くなります。
本作は、「8歳から88歳のすべての若者たちへ」この帯とともに、世界中でベストセラーになりました。
幾つになっても、やる気さえあればいつでも「挑戦者」になれる、そんな勇気と希望を与えてくれる一冊です。
※先日行われたリーダーズ・ネストでもっとも読みたい本に選ばれた、ルイス・セプルベダ 「カモメに飛ぶことを教えた猫」のおすすめコメントを、Mさんにいただきました。ぜひご一読ください!