教養 ベルゼバブの孫への話
¥7865
著 者:G・I・グルジェフ
出版社:平河出版社
若い頃の過ちで宇宙の辺境へ追放された地球外生命体のベルゼバブは、その後功績を認められ、また宇宙の中心へ呼び戻される。若き日のベルゼバブが訪問した惑星の中には地球が含まれているが、そこで暮らす人間が宇宙の中でもあまりに変わっていたため、帰還途中の宇宙船の中で人間について孫に語りきかせる。ゴルホナールハルハルク、ヘプタパラパーシノクなど長い名前がぞくぞく登場し、そのストーリーも複雑難解さを極める「ベルゼバブの孫への話」。もともとアルメニア語で書かれただけあって、本当はアルメニア語がわからないと理解できないのではと思わせるほど難解な本書は、わざとグルジェフが本書を読みにくくしている意図が見て取れる。(理解するためには3回読めとグルジェフは言う。)読解するには相当の(勇気?)と努力を要するが、一度は挑戦してみたいものである。対照的にグルジェフの弟子であるウスペンスキーが書いた「奇蹟を求めて」は、非常にわかりやすくグルジェフの思想をまとめ、現在でも多くの人に読み継がれている。しかしそれがグルジェフの意図に沿っているかどうかは疑問だろう。