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2019-04-08 昨日は旧暦3月3日、沖縄では女の子の節句「浜下り」の日でした。
そこで、女性を描いた本を…と思い、手に取ったのがこちら「オキナワ流離考」。 サブタイトルにある通り、高橋淳子という八重山出身の女性を取材して、その半生を綴った本です。

石垣島での貧しかった幼少期の暮らし。 15歳で島を出て、大阪や東京で働きながら重ねた苦労。 独立して始めた沖縄料理店と、そこでの人々との交流。 それらを縦糸にしながら、横糸として、酒乱だった父親、本土での沖縄差別、自身の自殺未遂や娘との死別など、辛く厳しい経験が紡がれていきます。

彼女が生まれたのは昭和13年、本の刊行が昭和60年。 著者の市川好治氏は「まえがき」で、沖縄を苦しめてきた日本(本土)側にいる者として、恥ずかしさや痛みを感じながらこの本を書いたと述べています。 これは沖縄出身女性を切り口とした、昭和史の生々しい断面であり、その重い人生のドラマです。 まめ書房



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