2019-04-16
料理の魔術師・レーモン・オリヴェ

レーモン・オリヴェは料理の魔術師とも言われたシェフであり、料理評論家としても知られたフランスの国宝的存在と言われています。日本でも東京會舘内に開業されたレストラン〈イル・ド・フランス〉で腕を振るい、その後の東京會舘の味にも影響を与えたのだそうです。
オリヴェは1948年にパレ・ロワイヤルにあったレストラン〈ル・グラン・ヴェフール〉を買い取り、オーナーとなります。近所にはコレットが、コクトーが住んでいて、彼らは〈ヴェフール〉の常連となりました。本書には天才料理人が天才詩人のために考案したレシピが味覚への回想とともに綴られています。
料理は難しかろうが簡単であろうがすべては美味しいかどうかに行き着き、それこそが料理の奥深さだと言えるでしょう。そしてそこには詩と共通する楽しさを見つけることができます。だからこそ料理もまた芸術であり、料理人もまた詩人なのだと思うのです。
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