2019-05-28
ジョン・ファンテはイタリア系アメリカ人の小説家であり、脚本家。

1927年に高校を卒業後、作家を目指しながらも大学に入退学を繰り返し、バックパッカーとなってカリフォルニアを目指したり、大恐慌の時代に不安定な職を転々としました。
1938年に出版された『バンディーニ家よ、春を待て』で作家としての名声を得ますが、その後は作家としてよりもハリウッド映画の脚本家としての創作が主な活動となっていきます。1955年には糖尿病を患い、左足を切断して失明もするなど晩年は健康状態に苦しみました。
様々な職を転々とし、一時期は事業に成功しますがドラッグに溺れてどん底まで落ち、その過程で自殺未遂も繰り返したといいます。そんなダンが立ち直り作家として活躍し始めるのは50歳を過ぎてからのことでした。 そのダンの第1作となったのが本日ご紹介する『天使はポケットに何も持っていない』です。
登場人物の名前を変えてはありますが、明らかにダンの父ジョンに対する葛藤や複雑で深い思いを綴った物語です。もう1冊はジョン・ファンテが家族や友人に宛てた手紙をまとめたものです。 この2冊はそれぞれ別々のお客様から同じ週にお譲りいただきました。古本屋ではときどきこんなことが起こります。
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