酔っ払い、自動筆記の
ように絵を描く。

吉村萬壱さん

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第4回持って帰らないと
玄月さんが絵を捨てちゃう

――芥川賞作家の玄月さんがプロデュースする文学バー「リズール」。そこで小説家のゲストを招いて開催されるCreator’s NESTの看板の絵も毎回制作されています。

吉村立派な作家の方がゲストに来られてるのに看板がなかったんですよ。通りすがりの人が、「この人来てるんだったら入ってみよ」というのがまったくないんで、「何やってるかを表に出した方がええで、玄月さん」って言ったら、「じゃあ、萬壱さん描いてくださいよ」ってなって。2、3年前から描いてます。

――それぞれの作家さんや作品をイメージして描かれている感じでしょうか。

吉村まあそうですね。例えば、福永信さんのときは『三姉妹とその友達』を出されたときだったんで、三人の女性がからんでる絵を描いたり。まあ、そんなに深くも考えてなくて、申し訳ない感じですが。





――ペンで描いたやつと筆で描いたやつがありますが、気分的なもので使い分けてるんですか?

吉村そうですね。この森見(登美彦)さんのはけっこう力を入れましたね。というか、なかなか上手いこといかず、何回も描き直した感じで。



手前が、森見登美彦さんがゲストのときに描いた絵。
――当日は、この絵を木板に貼って、看板にするわけですね。

吉村そうです。最初の頃は管理も杜撰で、後日リズール行ったときに「あの絵どこ行ったんかなあ」って探してたら、玄月さんが「ごめん、捨てたわ」って(笑)。

――ひどい(笑)。

吉村まあええんですけど。でもせっかく描いたし、途中から自分で取っとこうと思って。それで持って帰るようにしたんです(笑)。

――ということは、最初の頃の絵は残っていないんですね。

吉村そうですね。あとはご本人が気に入ってくださって、作家さんが持って帰ってくれることもあります。藤野可織さんとか、井上荒野さんとか、何人かいらっしゃいました。喜んでもらえると嬉しいですね。

撮影協力 ドアーズ・ダイニング(Doors Dining)南船場店
http://www.urdoors.com/dining-cafe/
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